G7保健相会合が5月13日、14日に長崎で開催されるのを前に、with Planetでは政府関係者、専門家、市民社会、学生アクティビストなど様々な立場のゲストを呼んで、グローバルヘルスについて考えるトークイベントを実施します。

地球規模で人々の健康課題や衛生対策に向き合う「グローバルヘルス」。SDGsでも「すべての人に健康と福祉を(目標3)」と掲げられていますが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックなどをきっかけに、その重要性や喫緊性が再認識されているテーマです。

大事なことだけど、壮大すぎて論点がなかなかわかりづらい…という声もある「グローバルヘルス」について、

①日本政府が取り組むべきこと
②民間・市民の取り組み事例
③私たち一人ひとりに何ができるのか

などを軸に、複数の立場や視点から語り合います。

なお、イベント冒頭には厚生労働省大臣官房国際課の担当者より、G7保健相会合に日本政府としてどう臨むのか、展望や意気込みを語ってもらう予定です。

なぜ今、議論しなければならないのか?

さて、「グローバルヘルス」について、なぜいま私たちが議論する必要があるのでしょうか。

一つには、新型コロナが明らかにしたように、グローバル社会における人々の健康に「国境はない」という点があります。自分の健康を守るためには、世界全体の健康を守ることを考える必要があるのです。

もう一つ重要な点として、地球規模での課題解決を目指す上で先進国である日本が率先してなすべきことがあるという点です。主に低・中所得の国の人々は、適切な医療にアクセスできる体制が十分に整っていなかったり、気候危機にともなう自然災害や飢饉、食料不足などの問題も、より深刻にその影響を受けたりします。SDGsの達成をともに目指す国際社会の中で、先進国としての役割を果たしていく必要があるのです。

登壇者は?

イベントでは、冒頭の厚労省の担当者からのスピーチの後、次のようなメンバーとともに議論を行う予定です。

(左から)國井修さん、菅原丈二さん、茶山美鈴さん

1人目は、with Planetでグローバルヘルスに関する連載を執筆している國井修さん。世界130カ国以上で感染症対策や母子保健などに取り組み、グローバルヘルスの最前線で活動してきた國井さんに、私たちが知っておきたい基礎知識や論点を整理して伝えていただきます。

くにい・おさむ 1962年、栃木県生まれ。世界の低中所得国130カ国以上で感染症対策、母子保健、人道支援などの分野でグローバルヘルスに従事。直近では、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(略称:グローバルファンド)の戦略・投資・効果局長として、9年間にわたって中枢を担う五つの部を統括。東京大学国際地域保健学講師、長崎大学熱帯医学研究所教授、ユニセフニューヨーク本部保健戦略上級アドバイザー、ミャンマー事務所保健・栄養チーフ、ソマリア事務所保健・栄養・水衛生支援事業部長などを歴任。

2人目は、市民社会のアクターを代表して登壇するNPO法人「日本医療政策機構」副事務局長の菅原丈二さんです。グローバルヘルス推進における民間からのアプローチの可能性と課題について聞きます。

すがわら・じょうじ 1989年、宮城県仙台市生まれ。中央大学総合政策学部卒業。2015年、東京大学医学系研究科国際保健政策学教室主催のGHEプログラム(Global Health Entrepreneurship Program)修了後、2016年10月から日本医療政策機構に参画。医薬品アクセス、医療技術評価(HTA)、薬剤耐性(AMR)をテーマとしたグローバル専門家会合の企画実行に携わるほか、グローバルヘルス・エデュケーションプログラム(G-HEP)や医療政策アカデミーといった、医療政策人材の養成プログラムを担当する。現在は、プラネタリーヘルスプロジェクトや経営企画、組織運営、ウェブサイトやSNSを活用した広報事業などに従事。

3人目は、同じく市民社会のアクターでありZ世代のアクティビストでもある「Health for all .jp」代表の茶山美鈴さん。日本のODA(政府の途上国援助)における保健医療政策の戦略について、加藤勝信厚労相らに繰り返し提言をおこなっている茶山さんには、チャレンジしている活動や問題意識、政府に求めることなどを聞いていきます。また、当日は、茶山さんと同世代で、グローバルヘルス推進に向けた活動に取り組む大久保里佳子さんも参加します。

ちゃやま・みれい 2001年生まれ。グローバルヘルス政策に関する提言を行うシンクタンク団体『Health for all.jp』代表。早稲田大学法学部に在学中。政治家と有権者をつなぐサービスを提供する「PoliPoli」のメンバーとして、政治家の政策推進のサポートを行う。高校時代に「市長模擬選挙」を開催する学生団体「福岡UC」の代表を務めた経験から、国際インフラ整備に関する政策を福岡財務支局と作成。2019年に福岡で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議にて政策提言スピーチを麻生太郎財務相(当時)をはじめ、各国大臣に行った。

「グローバルヘルスは大事」のその先へ。

一歩踏み込んで考えるためのクロストークに、是非ご参加ください。

イベント概要

with Planetキックオフイベント「地球が健康であるために、私は何ができる?」【4月27日(木)】

◆出演者
・國井修さん(くにい・おさむ) 公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)CEO
・菅原丈二さん(すがわら・じょうじ) NPO法人「日本医療政策機構」副事務局長
・茶山美鈴さん(ちゃやま・みれい) Health for all .jp 代表 ほか
・ファシリテーター 竹下由佳(たけした・ゆか) 朝日新聞 with Planet編集長
※出演者は変更になる可能性があります。

◆プログラム
①「開催目前のG7保健大臣会合、日本政府はどう臨む?」
②登壇者によるディスカッション
 ┗地球規模の保健医療分野の課題を解決するために、日本政府に取り組んでほしいこと
 ┗感染症をはじめとする命に関わる課題に取り組むため、私はこれをする
 ┗グローバルヘルスの実現のために、国民一人ひとりには何ができる?

◆配信日時:2023年4月27日(木)18:00スタート(1時間程度)
◆参加費:無料
◆参加方法:お申し込みされた方に、視聴用URLをお送りします。申し込みはこちらから。お申し込み頂くと、出演者への質問もお寄せ頂けます。※with PlanetのYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。