一般社団法人インターネットメディア協会は3月21日、社会を動かした信頼性のある情報を伝えたオンラインコンテンツを表彰する今年の「Internet Media Awards」の8作品を発表した。そのうち「U30’s VIEW」賞の一つには、朝日新聞のサイト「with Planet」が選ばれた。

U30’s VIEW賞は、次世代を牽引(けんいん)する30歳未満の選考委員が選ぶ。株式会社PoliPoliの代表で選考委員の伊藤和真さんは選出にあたり、with Planetについて、「グローバルヘルスや気候変動などの国際的な課題を継続的に取材し、読み応えのある記事が多い」と評し、記事だけでなく、トークイベントの動画などを通し、若い世代をはじめとしたさまざまな人たちが「触れやすい情報発信に挑戦している」とコメント。また、「ブランディングや持続可能性のあり方に新しいメディアの形を感じている」とも述べていた。

21日の授賞式では、「PoliPoliという政策共創のプラットフォームをやっていて、政府などと仕事をすることも多い。6年ほど取り組む中で、大企業など大きな組織の中での『社内イノベーション』のようなものがあって、国や社会が大きく変わっていくと感じている。その中で、朝日新聞という大きな伝統的なメディアからこういう新しい動きがあるということで選出させて頂いた」と改めて言及。さらに、「(with Planetで報じている)グローバルイシューはなかなかPV(を得るという点)では現実的に難しいと思うが、しっかりとチャレンジしている」「世界的な財団とコラボしながら、持続可能性を担保しながら運営している」とも述べ、with Planetの竹下由佳編集長に賞状を手渡した。

授賞式で竹下編集長は、「U30’s VIEW賞をいただくことになり、とてもうれしく思っている。U30の方に選んでいただいたことは励みになる」と感謝の言葉を述べた。また、朝日新聞と非営利の慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」とのメディアパートナーシップについて、「朝日新聞は途上国の開発課題や保健医療の課題について長年報じてきた。こうした課題の解決をめざすというところで財団側と目的が一致した」と経緯を説明。「編集権は朝日新聞にあるという座組みで、こうした『寄付型』モデルを知ってもらうこともwith Planetの意義の一つだと思っている」と語った。

受賞のあいさつを述べる竹下由佳with Planet編集長

インターネットメディア協会は、インターネットメディア事業および関連事業を行う法人や媒体が組織する団体。Internet Media Awardsのほか、メディアリテラシーの向上、セミナーや勉強会などを開いている。

今年のInternet Media Awardsのグランプリとビジュアル・コンテンツ部門賞には、日本経済新聞社のドキュメンタリー「さまようロシア人 ジョージアでみた侵攻の代償」が選ばれた。そのほか、TikTokで活発な発信を続ける、史上最年少市長の高島崚輔・芦屋市長(U30’s View賞)、線虫がん検査について調査報道したNewsPicksの「虚飾のユニコーン」(テキスト・コンテンツ部門賞)などが受賞した。

今年のInternet Media Awardsの受賞者と関係者