グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。第12回では、フジテレビのサステナビリティプロデューサー木幡美子さんが、メディアを通じて人々に情報を伝え、意識を変えていく重要性についてお話しします。ポッドキャスト本編はSpotifyApple Podcastで配信しています。

with Planetのポッドキャスト「地球で働く!」の第12回ではフジテレビのサステナビリティプロデューサーの木幡美子さんをゲストにお招きしました。

木幡さんはフジテレビでSDGsをテーマにした番組「フューチャーランナーズ」を立ち上げ、持続可能な未来を目指す活動をしています。

今回も収録には大学2年生の山口凜さんが参加。メディアの役割、伝えることの重要性についてお話ししました。この記事では本編の一部を、読みやすいように編集してお届けします。

収録には、大学2年生の山口凜さん(右)、with Planet藤谷健シニアエディターが聞き手として参加=東京都中央区、編集部撮影

「テレビで見たのがきっかけです」がある限り

──SNSで発信するコツはありますか。

いやいや、SNSの発信はむしろこちらから大学生に聞きたいくらい(笑)。でも堅苦しくならないようにしたいというのはありますよね。キャッチーなタイトルも大事ですし、文章は短く、漢字は少なめ、自分の生活圏内にあるようなものとひも付けるという。

──いま大学2年生でいろいろなことに興味があります。そのなかでもメディアというのは、人と人をつなげる媒体で、それが魅力なのかなと思っています。そもそもなぜこの仕事をやろうと思ったのでしょうか。

テレビで「こんなニュースを見た」という人が意外と多く、まだまだテレビも捨てたものではないなと思います。映像の力というのがあるのだと思います。

例えば「途上国で何万トンのゴミが捨てられている」と文字で見るのと映像で見るのでは、やはり印象は違ってくると思います。海洋プラスチックの問題でも、鳥や魚のおなかの中からプラスチックが出てくる映像はインパクトがある。「テレビで見たのがきっかけです」という人がいなくならない限り、やり続けたいと思います。

たとえ失敗したとしても、チャレンジした経験は残る

──「フューチャーランナーズ」という番組をはじめ、いろいろなことにチャレンジされていると思いますが、いま何か考えている新しい企画はありますか。

東京・お台場にあるフジテレビ本社横にある「アクションお台場ファーム」というスペースで、「楽しくアクションSDGs」というキャンペーンをやっています。スタートアップ企業のプランティオと連携し、IoTセンサーをプランターに挿して水分量や温度、土の状態をアプリで管理するシステムを使って野菜を育てているんです。

アナウンサーのSNSやテレビなど、いろいろな形で発信し、自宅で育ててみようという気持ちになってくれれば、ファーミングが広がっていくというもので、楽しみながらできる。アグリカルチャー+エンターテインメントを組み合わせたものですね。

──まさにフジテレビらしい伝え方ですよね。そのような前例のないことをやるときの難しさや、ハードルを乗り越えるコツはありますか。

まず、やったときのメリットを書き出してみる。そして、メリットが多いのであればチャレンジしてみる。結果、たとえ失敗したとしても、チャレンジした経験は残ります。

何もやらなかった人とチャレンジしたけれど失敗した人がいたとしたらチャレンジしたけど失敗した人のほうが経験値は上がると思います。経験値が多ければ多いほどいろいろな選択肢や可能性が広がると思います。

──ありがとうございます。今後の自分の活動にどんどん取り入れてぜひまねしていきたいと思います。(続きはPodcast本編で。Spotify / Apple Podcast

木幡美子さん

株式会社フジテレビジョン社会貢献推進局兼報道局解説委員。上智大学外国語学部卒。フジテレビにアナウンサーとして入社。主にニュース番組を担当し2011年にCSRの部署へ。2018年にSDGsをテーマにしたレギュラー番組「フューチャーランナーズ」を発案、現在放送中。内閣府・男女共同参画会議・女性に対する暴力に関する専門調査会や厚生労働省・厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会などの審議会委員も務める。