グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。第30回では、前回に引き続きタイで活動する公益財団「アークどこでも本読み隊」代表の堀内佳美さんにお話を伺いました。ポッドキャスト本編はApple PodcastSpotifyで配信しています。

タイでの「本読み隊」やりがいは?

「アークどこでも本読み隊」代表の堀内佳美さんをゲストに迎えたポッドキャストの後編では、タイ北部での図書館活動の具体的な取り組みや、国際協力の現場で直面する課題、そして若者へのメッセージなどが話されました。

堀内さんの主な取り組みには、移動図書館や山岳民族の子どもたちのための幼児教育センターなどがあります。これらの活動を通じて、「本を通じて人と人をつなぎ、社会とつながっていく」ことを目指しています。

やりがいとして、堀内さんは、子どもたちの成長を見守ること、スタッフたちが主体的に活動に取り組む姿勢などを挙げました。その根本には「本自体に力がある」という確信のもと、それを子どもたちに届けることが大人の義務だとの考えがあります。

収録に参加した大学生の谷内田直歩さん=東京都中央区、編集部撮影

外国人、視覚障害者として国際協力の現場に立つこと

国際協力の現場では、外国人であり視覚障害者であることから、様々な課題にも直面してきました。コミュニケーションの難しさ、移動の制限、スタッフとの信頼関係構築などが挙げられます。堀内さんは「自分の心に正直に、人に相談しながら解決策を見いだしていく」姿勢で取り組んできました。

若者へのメッセージとして、堀内さんは自分の興味や関心に正直に従うこと、失敗を恐れず挑戦し続けることの大切さを強調しました。「完璧な人材はいない」という認識を持ち、自分の心に耳を傾け、導かれる道に進むことを勧めています。

堀内さんは「社会には大通りを歩いている人と、障害を持ったり、生きにくさを感じたりして、その端っこを歩いている人たちがいるけれど、飛び越えられるような橋がないと、理解し合えるのは難しいと思います。私はその橋になることを目標にしています」と話しました。

ぜひ本編を聴いて、考えて、感じたことや思ったことを私たちにシェアしてください!(続きはポッドキャスト本編で。Apple Podcast / Spotify ご感想は #地球で働く をつけてSNSで教えてください)

堀内佳美さん

アークどこでも本読み隊代表。国際基督教大学在学中に1年間、タイへ交換留学。2009年には、インド南部ケララ州で社会企業家を育成する団体カンターリ・インターナショナルのプログラムに参加し、2010年にはタイで「アークどこでも本読み隊」を設立。現在、読み聞かせや移動図書館でタイの人々に読書の楽しみを伝えるほか、少数民族の子どもたちの識字教育にも取り組んでいる。