グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。第8回では前回に続き、特定非営利活動法人ジェン(JEN)の木山啓子さんをお招きしています。ポッドキャスト本編はSpotifyApple Podcastで配信しています。

with Planetのポッドキャスト「地球で働く!」の第8回では、前回に続き、国際NGOジェン(JEN)事務局長の木山啓子さんをゲストにお招きしました。

今回は、木山さんが実際に取り組んでいる災害支援活動、特にアフガニスタンやパキスタン、トルコでの活動についてお伺いしました。世界では2050年までに「気候難民」が2億人超にもなると予測されていますが、現在も多くの地域で支援を求める声が上がっています。国際協力に必要な想像力を働かせるには、どうしたらいいのでしょうか。

「世界中の厳しい状況にある方々のニュースには、かなり神経を使って目を配っている」と語る木山さん。現地に行かずとも、日本から一人ひとりが関われる具体的な支援の方法についても教えてくれました。

この記事では本編の一部を、読みやすいように編集してお届けします。

収録には前回に引き続き、大学3年生の藤原梨乃さんも参加した=東京都中央区、編集部撮影

想像力の働かせ方

─異常気象をはじめとする災害は、日本でも多く起きています。にもかかわらず、自分も含め、実際に被害者になるまで、自然災害に遭うとは思いもしません。国内外に限らず、日本にいながら災害への意識を高めるために、何かできることはあるのでしょうか?

2004年、新潟で起きた震災のことを思い出します。私は支援に行かせていただいたのですが、そこで出会った方の多くが、「自分たちがこんな被害に遭うなんて想像もしていなかった」とおっしゃっていました。そして、「阪神・淡路大震災のとき、支援を一切しなかった自分を悔いている」ともおっしゃっていたのです。

─阪神・淡路大震災は1995年でした。

新潟県中越地震が起きたのは、2004年10月でした。その年の年末、インド洋で大津波が発生しました(インド洋津波)。そのとき新潟で、避難所で避難生活を余儀なくされている方々の間で募金活動が始まりました。これ(募金)をすぐに持って行ってくれと、私たちに託されたのです。その方々は、東日本大震災(2011年)のときにもすぐに現場に駆けつけ、私たちと一緒に支援活動に参加してくださいました。

─自分で体験したからこそ支援の重要さがわかる、と。

やはり、本当に「その身」にならないと分からないものだと思います。だからこそ、災害に遭われた方から話を聞くことが大切なのだと思います。

「被災の伝承」には大きな意味があります。もちろんそれでも伝わりきらないことはあるでしょう。ですが、足を運び、話を聞き感じること。それがすごく大事なのだと思っています。(続きはPodcast本編で。Spotify / Apple Podcast

木山啓子さん

大学卒業後、電機メーカーなどを経てニューヨーク州立大学大学院(社会学)修士課程修了。JEN創設に参加し、1994年から旧ユーゴスラビア現地統括責任者として6年間駐在。旧ユーゴでは延べ14カ所の事務所を立ち上げ、約500人に及ぶ現地のスタッフを統括した。2005年エイボン功績賞受賞のほか、「日経ウーマン誌ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006大賞」を受賞している。