グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。第9回では、世界の医療団・米良彰子さんをお招きしました。ポッドキャスト本編はSpotifyApple Podcastで配信しています。

with Planetのポッドキャスト「地球で働く!」の第9回では、世界の医療団の事務局長、米良彰子さんをゲストにお招きしました。

世界の医療団は、その名の通り、世界の医療を受けられない人々が医療を受けられるよう支援する国際NGO。自然災害や武力紛争などの犠牲者から風土病や伝染病などの疾病に苦しむ人々、難民や少数民族、ストリートチルドレンなどを対象に、さまざまな支援プロジェクトを実施しています。

大学在学時にはユニセフでインターンシップを経験し、卒業後はスポーツメーカーで働いたのちに様々な現場で国際協力に携わってきた米良さん。その経験は、ポッドキャスト収録に参加した大学3年生の萩野勇平さんにとっても刺激的な内容になりました。

この記事では本編の一部を、読みやすいように編集してお届けします。

世界の医療団の事務局長、米良彰子さん=東京都中央区、編集部撮影

NGOでのインターンシップで学んだこと

──今回は、米良さんがなぜNGOの道を選んだのかをお聞きしたいと思っています。米良さんは大学生の頃、何をやっていましたか?

バスケットボールに明け暮れていましたね。ちょうどマイケル・ジョーダンが全盛期だったし、漫画「スラムダンク」をリアルタイムで読んでいた世代ですから。もうバスケット、バスケット、バスケットの日々を過ごしていました。

ですから、体力にはそれなりに自信があります。今携わっている活動にも、役立っていますね。

──大学時代からNGOで働かれていたとお聞きしています。当時から、何かしら社会課題に対して関心があったのですか?

正直なところ、大学に入った当時は自分が何を勉強したいのか、本当にわかっていませんでした。だから、広く浅く学べるだろうと考えて、国際関係の学部を選択しました。

いざ入学すると、授業でさまざまな問題があることを学び、興味をもつようになりました。今振り返ると、自分にとって大きかったのは、夏休みのインターンシップでの経験だったと思います。

収録には、大学3年生の萩野勇平さんが聞き手として参加=東京都中央区、編集部撮影

──どんな経験だったのですか?

ユニセフで、今で言う資金調達を担当する部署でのインターンシップでした。

活動するにはお金が必要です。そのためには企画が必要で、(事務所に)朝行くと大量の雑誌を渡されて、この中から一緒にコラボレーションできそうなネタを見つけてとにかく企画書を書きまくるよう言われたのです。

──まだ大学生で、企画書なんて書いたことはありませんよね。

わからないなりに、どういうところなら組めるのかしらと考えながら、ひたすら企画書を書きましたね。

──スパルタですね。

そのときインターン先で言われたのが、「国際協力に興味があるのはいいことだけれど、一度ちゃんと社会に出て、(世の中が)どういう仕組みになってるのかをちゃんと知ってから、またいらっしゃい」ということ。「(協力してくれている)皆さんがどういう気持ちで働いてお金を稼ぎ、それを寄付してくれているのか、わかんないでしょ」って言われたのです。

当時、私は素直でしたから「わかりません」と答えるしかなくて。アドバイスを受けてまずは働いてみようと思い、卒業後は一般企業で働くことにしたのです。(続きはPodcast本編で。Spotify / Apple Podcast

米良彰子さん

兵庫県宝塚市生まれ。スポーツメーカーで海外営業として働く傍ら、阪神淡路大震災時より多言語放送局の立ち上げ・運営に携わる。アメリカの大学で国際関係学を学び修士号取得。国際機関でのインターンなどの経験を経て、NGOで必須サービスや、食料・栄養分野でのアドボカシー・キャンペーンに関わる。バングラデシュ・ベナン・ブルキナファソ・ウガンダ・ネパール・インド・バヌアツなど南アジア、アフリカを拠点に現場で国際協力に携わった後、2020年3月から現職。(世界の医療団HPから)