マイノリティー性を経験することで、気づくこと 三輪敦子さん
「地球のためにできること」に従事する方々にお話を聞くwith Planetポッドキャスト第22回。前回に続きヒューライツ大阪の三輪敦子所長がゲストです。

「地球のためにできること」に従事する方々にお話を聞くwith Planetポッドキャスト第22回。前回に続きヒューライツ大阪の三輪敦子所長がゲストです。
グローバルヘルスやジェンダー問題、人権問題や食料不安。世界にも、日本にも、これらの課題を解決すべく活動している人がいます。NGOをはじめとする「現場で働く人」をゲストに迎えるポッドキャスト「地球で働く!」。第22回では、前回に引き続きアジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)所長の三輪敦子さんとともに、ジェンダーを取り巻く問題についてお話を伺いました。ポッドキャスト本編はApple Podcast、Spotifyで配信しています。
三輪敦子さんが代表を務める一般財団法人「アジア・太平洋人権情報センター」(ヒューライツ大阪)は、国際的な人権情報を集め、それをもとに大阪における国際交流や大阪府民の国際的な人権感覚を育む組織です。
今回の収録では、大学生の高倉舞さんがジェンダーをめぐる問題について感じていることや、悩んでいることなどについて、三輪さんに質問しました。
全体を通じて議論されたのが、「社会課題をどうしたら自分事化できるか」ということ。性的マイノリティーの友人との会話を通じて感じたことを語る高倉さんに対し、三輪さんは自身の経験も交えながら、話を進めていきました。
「ジェンダーの問題について、どこか自分事化できない」。高倉さんは冒頭、三輪さんにそう打ち明けました。その理由として挙げたのが、「自分はマジョリティー側にいるから」ということ。
これに対して三輪さんは、「どうして自分はマジョリティー側にいると思うんですか」と問いかけ、自身のマイノリティー性を経験することで、マイノリティーの抱える問題に対して、より共感しやすくなると指摘します。
三輪さんは自身のジェンダー経験について、マイノリティー性を感じたことの一つだった、とも語ります。「女性は数の上ではマイノリティーではないが、行使できる権力、意思決定への参加の度合いは今の日本でも完全にマイノリティー。他の人と同等には扱われないという経験をすると、他の人の問題への意識は変わってくると実感した」
また、社会課題へ取り組む上で、「Ally(味方、仲間)」の存在の重要性にも話題は及びました。「マイノリティーの問題はマイノリティーだけでは解決しない。社会の構造的な問題に取り組む必要がある」といいます。
収録ではこのほかにも、気候危機や若い世代への情報の届け方、職業選択などについて話題が広がりました。ぜひ本編を聴いて、考えて、感じたことや思ったことを私たちにシェアしてください!(続きはポッドキャスト本編で。Apple Podcast / Spotify ご感想は #地球で働く をつけてSNSで教えてください)
三輪敦子さん
一般財団法人「アジア・太平洋人権情報センター」(ヒューライツ大阪)所長。日本赤十字社外事部(現国際部)、国連女性開発基金(現国連ウィメン)アジア太平洋地域バンコク事務所、公益財団法人「世界人権問題研究センター」などで、ジェンダー・開発・人道支援・人権分野の様々なプログラムの実施支援や調査・研究に携わってきた。2017年から、ヒューライツ大阪所長。一般社団法人「SDGs市民社会ネットワーク」共同代表理事。NPO法人「国連ウィメン日本協会」副理事長。関西学院大学SGU招聘客員教授。