8月20日から22日に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて、「これからのアフリカと日本の関係」について考えるイベントを開催します。アフリカからのゲストや、アフリカを活動拠点とする社会起業家などを招き、官民両方の視点から日本とアフリカの未来について語り合います。

「アフリカを身近に感じて」

TICADは日本政府が主導し、1993年から開催されてきました。当初は「援助・開発の対象としてのアフリカ」という側面が色濃くあったものの、今では、「投資やビジネスで関係構築をしていくべき対象としてのアフリカ」と位置づけられるなど、日本とアフリカの関係性も変化しています。

いまだマラリアをはじめとする保健課題の解決が喫緊の課題であると同時に、ビジネスによる雇用創出・女性のエンパワーメントが急務となっているアフリカ。そんなアフリカの実情と、日本ができること、日本に暮らす人々が持ちうる視点などについて考えていきます。

また、会場ではアフリカの料理や音楽、アフリカ布を使ったファッションアイテムの展示なども用意しています。社会課題やその解決策、これからについての話はもちろんのこと、アフリカのカルチャーを通して、アフリカを身近に感じて欲しい、と考えています。

ご参加希望の方はこちらから申し込みをお願いします。

※お申し込みには朝日IDの登録が必要になります。

※参加は先着順となります。

遠くて、近い、アフリカのこと

イベントは2部構成。第1部は、アフリカと日本の未来を考える上で実践的な取り組みをしているゲストを招いたトーク。第2部は、ゲストと参加者が一緒になって立食形式でのネットワーキングを行います。

第1部のゲストにお迎えするのは、東アフリカ・ケニアの地方自治体でマラリア対策に従事するリリアナ・ダヨさん。世界3大感染症の一つであるマラリアの撲滅を目指し、日々どんな工夫をしているのか。日本に求めるもの、世界に伝えたいことは?

2人目のゲストは、アフリカ布を使ったブランド「RICCI EVERYDAY」創業者の仲本千津さんです。NGOの仕事でウガンダに駐在したことをきっかけに、アフリカンプリントとそれを仕立てるシングルマザーたちの卓越した技術力に出会ったという仲本さん。現地の雇用創出を目指し、ブランドを立ち上げ起業家として活躍中です。

そんな2人を迎えるのは、マラリア・ノーモア・ジャパン理事の長島美紀さんと、with Planetの竹下由佳編集長。感染症やジェンダー不平等など、グローバルな社会課題の解決に向けて日々情報発信や問題提起を続ける2人が、ダヨさん、仲本さんの挑戦と課題に迫ります。

第2部のネットワーキングでは、アフリカの食事を片手に、自由に語り合い、交流を深める時間を設けています。仲本さんの「RICCI EVERYDAY」のアイテム展示も予定しています。おいしい料理、楽しい音楽、ポップで個性的なアフリカンプリントの魅力を通して、アフリカと日本の関係や未来について考えるひとときとなれば幸いです。

イベントの概要

日時:2025年8月21日(木)18時30分~20時45分
場所:東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞本社 読者ホール
内容:

【1】ゲストを迎えたトークセッション(60分)
ファシリテーター: 竹下 由佳(with Planet編集長)
登壇者①:長島美紀氏(マラリア・ノーモア・ジャパン理事)
登壇者②:仲本千津氏(RICCI EVERYDAY代表)
登壇者③:リリアナ・ダヨ氏(ケニア・キスム郡マラリア対策プログラムマネジャー)

〈トークテーマ〉

テーマ①「アフリカと私~アフリカとのつながり」

各ゲストより自己紹介いただきつつ、みなさんの活動やアフリカとのつながりを話していただきます。

テーマ②「アフリカの課題と可能性」

アフリカに存在するマラリアをはじめとする様々な課題をどうやって解決していくべきか? 開発援助の視点はもちろん、ビジネスを通じた雇用創出・エンパワーメントの観点も踏まえ、ゲストのみなさんとディスカッションを通して可能性を探ります。

テーマ③「アフリカと日本のこれから」

これからの日本とアフリカのあるべき関係についてゲストのみなさんと語り合います。

【2】ゲスト、参加者とのネットワーキング(60分)

立食形式でのネットワーキングとRICCI EVERYDAYのアイテム展示を実施します。

登壇者プロフィル

・仲本千津さん 早稲田大学法学部を卒業後、一橋大学大学院法学研究科にて平和構築やアフリカ紛争問題の研究に注力。修了後は三菱東京UFJ銀行にて法人営業に従事したのち、2011年に、国際農業NGO・笹川アフリカ協会(現ササカワ・アフリカ財団)に参画し、ウガンダに駐在。そこで出会ったシングルマザーたちの技術力に感銘を受け、アフリカンプリントを使ったファッションを通じた雇用創出を実現するため、2015年に母と共にライフスタイルブランド「RICCI EVERYDAY」を日本で創業。2016年にはウガンダで現地法人「レベッカアケロ」を設立し、マネージングディレクターに就任。日本アフリカ起業支援最優秀賞、日本イノベーター大賞特別賞、DBJ女性起業奨励賞など受賞多数。

・リリアナ・ダヨさん ケニア・キスム郡のマラリア対策プログラムマネジャー。20年以上にわたり保健システムの強化に貢献してきた公衆衛生の専門家。以前は公衆衛生局長として国家戦略の立案にも携わっており、これまでに数千人の医療従事者や地域保健推進員を育成し、地域に根ざしたマラリア対策を展開している。公平性と地域主導の解決策を重視するリーダーとして、妊婦への予防薬提供の研究や、国際会議での発表も行うなど、国内外で積極的に活動している。

・長島美紀さん マラリア・ノーモア・ジャパン理事。政治学博士。大学院で先進国の難民受け入れ政策を研究する傍ら難民支援を行う国際機関やNPOにインターン/リサーチャーとして関わる。その後アフリカに関するキャンペーン活動やNGOや財団の運営、政策提言活動、キャンペーン事業に従事。(一社)SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)では、普及啓発事業を担当。(公財)プラン・インターナショナル・ジャパン アドボカシーグループリーダーも務める。著書に「FGM(女性性器損傷)とジェンダーに基づく迫害概念をめぐる諸課題―フェミニズム国際法の視点からの一考察」(早稲田大学出版部)。

・ファシリテーター竹下由佳 朝日新聞 with Planet編集長。1988年、広島県生まれ。2011年、朝日新聞社入社。名古屋報道センター、岐阜総局、大阪編集センターを経て、2017年から政治部で勤務。2020年から若手ビジネスパーソン向けメディアの立ち上げに携わり、「ハフポスト日本版」への出向を経て現職。